筋ジストロフィーとは
筋ジストロフィーは、19世紀に発見された筋肉の萎縮に伴う身体機能の低下が見られる病気です。いくつかの種類があり、進行速度や症状の現れ方などが異なります。
原因
多くの筋ジストロフィーの原因となるのは、「ジストロフィン」という筋肉を正常に機能させるために欠かせないたんぱく質を生成する遺伝子の異常です。ジストロフィンを生成する遺伝子は性染色体であるX染色体に含まれており、筋ジストロフィーの患者にはX染色体の異常が多く見られます。X染色体は、男性が一つに対して女性は二つ保有しているため女性には筋ジストロフィーが発病しにくい理由にもなっています。
種類
筋ジストロフィーは、症状ごとに分類されています。
デュシェンヌ型
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、進行性の筋ジストロフィーの中でも最も症例が多く見られます。昔は「20歳まで生きられない」と言われるほどの難病でしたが、医療の進歩によって20歳を越えて生存できるほどになってきています。
ベッカー型
ベッカー型筋ジストロフィーは、筋ジストロフィーの中でも発症が遅く軽度の症状を示します。これは、原因となるジストロフィンの生成が少量ながら行なわれていることによるものです。
肢帯型
肢帯型筋ジストロフィーは、男女共に発症する筋ジストロフィーで緩やかな進行を見せます。稀に、デュシェンヌ型のような急激な進行を見せる場合があります。肢帯型筋ジストロフィーの原因になるのは、性染色体ではなく常染色体と呼ばれる性別以外の部分を決定する染色体であることが判っています。
顔面肩甲上腕型
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは、胸から上の顔面・肩・上腕部に症状が現れます。原因が肢帯型筋ジストロフィーと同じ常染色体なので、男女共に発症します。特徴は「ポパイの腕」と呼ばれる上腕部のみの萎縮や、目を開けたまま寝るなど症状があります。
福山型
福山形筋ジストロフィーは常染色体を原因とする、男女関係無く発症する筋ジストロフィーの中で最も重篤な症状を示します。福山型筋ジストロフィーは、日本で確認される筋ジストロフィーの中で最も多く、「フクチン」と呼ばれるたんぱく質を生み出す遺伝子異常が原因とされています。福山型の特徴は、「脳障害を伴う」という他の筋ジストロフィーには見られないものです。筋萎縮・筋力低下による運動障害だけではなく、精神遅滞や痙攣などの症状を伴います。
筋ジストロフィーの治療
基本的に、筋ジストロフィーの根治治療法は存在しません。対症療法での延命を行なっていく場合がほとんどで、ストレッチ体操による筋力低下の緩和などを行なっていきます。
最新の治療
近年、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに効果を挙げている治療法に、ステロイド剤による副腎皮質ホルモン投与があります。原理は解明できていませんが、副腎皮質ホルモンの投与によって、症状の緩和と筋力増強が期待できます。また、筋ジストロフィーは遺伝疾患による病気なので、遺伝子治療による根治治療法の研究が進められています。
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